「人間を夢中にさせる」には、切なさを感じさせなければいけない。




トトロを繰り返し10回以上見ていられる2歳児。

今、うちには2歳になった娘がいる。

コロナが猛威を振るっていて、今日は天気もあまりよくなかったこともあって、

無印良品に粘着のコロコロを買いに行く以外、ほぼ家で過ごした。

そうなると、自然とテレビやYoutubeなどの動画を見る。ということになるのだが、

ウチにはポータブルDVDプレーヤーがあるので、それに「となりのトトロ」を入れて娘に見せてみた。

1回目は見ているのか、見ていないのかさっぱりわからないレベルで、画面の前をうろちょろしていたのだが、

「おしまい」の文字がでてくると、

「もっかい、みる。」

と、巻き戻しをせがんでくる。

こちらとしても、断る理由もないので、また最初に戻す。

それを、なんと今日だけで5回は繰り返しただろうか。

先週から累計すれば、おそらく10回以上は見ている。

最近ではセリフも覚えだして、

「サーーーツキチャーーーン!」

と一緒に叫ぶくらいだ。

そして、僕が何より驚いたのは、娘が急に泣き出したタイミングだ。

さつきがメイちゃんを探しにネコバスに乗った時点で泣き出す。

え、ここで?

と僕は思った。

だって、全然泣く要素が画面からは見当たらない。

で、「どうした?なんで泣いてるの?」と聞いたら、

「トトロ、もうおわっちゃうの、おわったくないの。(終わってほしくない。という意味だろう)」

と、言って、大泣きするのだ。

要するに、終わりが近づいて切なくなっているという気持ちが、そのまま彼女を泣かせているのだ。

トトロ…2歳児にそこまで愛されているなんてすごいよ。

この世界に埋没していたい。という気持ちを作れるコンテンツはすごい。

僕もそんな切ない気持ちになったことは多々ある。

今でもとりわけその気持ちに戻してくれるのは、あだち充先生の漫画.。

「タッチ」をはじめ「H2」「ラフ」etc…

一度読み始めると、ずっとだらだらと読んでしまう。

スポ根とは全然違う、あのだらだらと優しくて、終わりがあるようでない「ぼやけた青春時代。」

自分は特に学生時代スポーツに真剣に取り組んだわけではなかった。

ただ、あだち作品はスポーツを主軸にしながらも、その「ちゃんとしてない非ストイック学生時代」もきちんと描かれているので非常に共感しやすい。

なので、終わりが近づくと、「あぁ、夏休みがそろそろ終わってしまう。」という気持ちになるのだ。

こういう、「楽しい時間が終わってしまうこと=切ない」ということを教えてくれるコンテンツは本当に貴重だ。

まとめ:「おもしろすぎて、終わりが切ない」と言わせたら勝ち。

このような愛されるコンテンツには、それに関わった人が時間を費やすことを忘れさせてしまう。

まさしく夢の中にいることをわすれてしまうのだ。

ディズニーランドや、たまにしか会えないキャバ嬢や、焼肉食べ放題なんかも同じだ。

本能的な居心地の良さを追求しているコンテンツは、人の時間の概念を狂わせる。

終わりに近づくと気づいても、通常の時間の流れに戻るのを脳が忘れているので、一気に戻れないのだ。

これが、切なさの正体なのかもしれない。

トトロはそれを2歳児の口から言わしめた。

そりゃ、いつまでも色褪せないわけだ。